DX・業務効率化
更新日:
2025-05-23

情報の一元管理(一元化)とは?社内導入に向けた成功ポイントやメリット・デメリットを解説

この記事を書いた人
Yuko Kobayashi
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目次

社内の情報が散乱していると、書類やファイルが見つからずお困りの方もいるでしょう。情報の一元管理が実施されれば、必要なデータにアクセスでき、業務効率や生産性の向上につながります。

本記事では、情報の一元管理について詳しく解説し、メリットやデメリットも詳しく説明します。社内導入に向けた成功ポイントや、具体的な導入事例にも触れるため、必要な情報が見つからず業務効率や生産性に課題を抱えている方は最後までご覧ください。

情報の一元管理とは?

情報を一元管理した方がいいと理解していても、具体的に説明できる人は少ないでしょう。本章では情報一元化の「定義」と「必要性」について詳しく解説します。社内導入を進める前に内容を理解し、周囲に説明できるようになりましょう。

情報一元管理の定義

情報一元管理とは、企業内や組織内に保存されているさまざまなデータや情報を、ひとつの場所や共通のシステムに集めて管理・運用する方法です。

単純に決められたサーバーや保管庫に集めるだけでなく、アクセス権限の設定や更新ルールの策定も必要です。コンプライアンスや監査への対応も考慮して、情報の追跡や履歴管理、セキュリティ対策といった管理方法も構築する必要があります。

一元管理が達成されれば、情報の重複を防ぎ、必要な時に必要な人が求める情報にアクセスできる環境が整います。結果として、業務効率の向上や意思決定のスピードアップ、組織全体の生産性向上にもつながるのです。

企業の競争力強化のために情報一元管理は不可欠だといえるでしょう。

情報一元管理の必要性

パソコンを使用した業務が当たり前になった現代では、日々の活動を通じて社内情報が増えていきます。個人のパソコンや別々のサーバーに保存されていては、必要な情報を探し出すのに時間がかかってしまいます。

さらにリモートワークが普及したことで、社外にいる従業員ともスムーズに情報共有しなければならなくなりました。自然災害やサイバー攻撃などのリスクに対するBCP(事業継続計画)の観点からも、情報が散財していては大きな問題につながりかねません。

情報を経営資源として効果的に活用するには、一元管理は必須です。データ検索の効率化や情報共有の促進、組織全体の連携が強化され競争力の向上につながるでしょう。

情報一元管理に適するもの

どのような情報が一元管理に適しているのでしょうか。以下の表にまとめます。

情報の種類具体例
定型業務やプロジェクト関連のデータ営業成績、社内のプロジェクト進捗、タスク管理、業務報告書
社員情報や人事データ従業員名簿、役職・部署、勤怠管理、給与データ
財務・会計データ売上、経費、予算、決算資料
内部マニュアル・手順書業務マニュアル、社内ポリシー、ITガイドライン
プロジェクト管理情報プロジェクトのタスク管理、進捗状況、納期、リソース配分

表:情報一元管理に適するもの

情報一元管理に適さないもの

一方で、一元管理に適さない情報も存在します。以下の表でご確認ください。

情報の種類具体例
個別の業務対応や個別案件に関連する情報特定の顧客とのやり取り、個別の営業交渉内容、部署ごとの詳細な議事録
機密性の高い情報や法的制約のあるデータ個人情報(PII)、機密契約書、内部監査の結果、特許関連データ
部門ごとの独自の運用に関する情報各部署の個別の運用手順、部門特有のノウハウ
頻繁に変更されるデータやリアルタイム情報従業員の出張情報、勤務シフト、プロジェクトの急な変更など

表:情報一元管理に適さないもの

情報一元管理のメリット

ここからは情報一元管理のメリットを見ていきましょう。「情報管理がしやすい」と「業務効率化」の2つのメリットに関して詳しく解説します。

情報管理がしやすい

情報一元管理のメリットのひとつは、情報管理がしやすくなることです。情報がさまざまな場所やフォーマットで保存されていると、データの重複や不整合が生じてしまい最新情報の管理が困難でした。一元管理が導入されれば、重複や不整合が軽減され情報管理の手間を削減できます。

情報の更新やメンテナンスが一か所で行えるため、最新の状態を保ちやすくなります。データの重複が減少するため、ストレージ容量も削減できるでしょう。アクセス権限も一元管理できるようになるため、情報セキュリティの向上にもつながります。

複数のシステムやファイル形式を扱う必要がなくなるため、担当者の負担軽減にもつながります。人為的ミスのリスクも低下し、より正確で信頼性の高い情報管理が行えるようになるでしょう。

業務効率化

もう一つの大きなメリットは、業務効率化です。情報が一か所に集約されるため、必要なデータに短時間でアクセスできるようになり、情報検索や取得にかかっていた時間が大幅に短縮されます。従業員が本来の業務に集中できるようになるため、生産性の向上につながるでしょう。

スムーズな情報共有も業務効率化に役立ちます。一元管理されたデータベースやプラットフォームを通じて、部門や役職を超えた情報共有が可能となり、組織の連携が強化されます。プロジェクト管理や意思決定プロセスといった場面で効果を発揮するでしょう。

情報の取得や更新の手順が統一されるようになるため、業務フローが最適化され、重複作業や無駄な工程の削減につながります。コスト削減や品質向上にもつながり、企業全体の競争力強化に役立つでしょう。

情報一元管理のデメリット

情報一元管理は何もメリットだけではありません。当然デメリットも存在するため、事前に考慮しておく必要があります。本章では「コストがかかる」と「従業員が使いこなせない」に関して詳しく説明します。

コストがかかる

情報一元管理にはコストがかかることを忘れてはいけません。情報一元管理を実現する高機能な情報管理ソフトウェアやクラウドサービスは、初期投資や継続的なライセンス料が高額である場合もあります。組織が大規模であれば、ユーザー数に応じて費用が膨らんでしまうでしょう。

既存のシステムとの統合や、データの移行にかかる費用も考慮しなければなりません。レガシーシステムからの移行は、予想以上に複雑で時間がかかることもあります。専門家の支援が必要になれば、その分、コストが増加してしまいます。

セキュリティ対策や定期的なメンテナンス、アップデートにかかる費用も無視できません。情報の集中管理は、セキュリティリスクの増大も意味するため、より高度なセキュリティ対策が必要です。

従業員が使いこなせない

情報一元管理システムを導入しても、従業員が使いこなせなければ無駄になってしまいます。新しいシステムやツールの操作方法を習得するには時間がかかるため、業務効率が一時的に低下する場合もあります。

長年慣れ親しんだ方法で業務を行ってきたベテラン従業員にとっては、新システムへの移行が大きなストレスとなるでしょう。変化に抵抗を示し、新システムの採用に抵抗するかもしれません。

高機能な情報管理システムを導入した際には、機能が豊富である反面、操作が複雑になりがちです。直感的でないインターフェースや面倒な操作手順は、従業員の習得意欲を削いでしまい効果的な活用を妨げます。

従業員が使いこなせるように、段階的な導入や継続的なサポート体制の構築などが必要です。

情報一元管理の具体的な方法(一例)

ここでは以下の3つの視点で、情報一元管理の具体的な方法(一例)を紹介します。

  • 営業情報の管理
  • 社内通知
  • 社内手続き・申請

実際の自社での運用も想定しつつ、一つひとつ詳しく見ていきましょう。

営業情報の管理

営業情報の一元管理によってリアルタイムでの情報更新と共有が実施されれば、戦略的な営業活動が進み効率化につながるでしょう。

紙ベースで営業情報を管理しているのであれば、電子データ化することが最初の一歩です。従来の情報を電子化できれば、専門的な営業支援システム(SFA)やカスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)といったツールの導入を検討しましょう。

顧客情報や商談履歴、見積書などの営業関連データが一元的に管理できるため、複数の営業担当者や部署間での情報共有が実現できます。

モバイル対応のシステムであれば、外出先からでもデータにアクセス可能です。営業活動に関する最新情報に触れられるため、顧客対応のスピードと質が向上します。

社内通知

口頭や紙ベースで通知を行っていると、忘れてしまったり、情報漏れが生じてしまったりして正しく情報が伝わりません。メールやチャットツールなどを利用していたとしても、一元管理ができていなければ、情報が分散してしまいます。

一元化された社内通知システムを導入すれば、社内通知に関する課題が改善されるでしょう。社内SNSやビジネスチャットツールを活用すれば、全社向けや部署別、プロジェクト別などのグループ別に必要な情報を必要な相手に届けることが可能です。既読確認機能や重要度のタグ付けを利用すれば、重要な通知を忘れずに伝達できます。

過去の通知内容も検索できるため、新入社員の教育や長期休暇後の従業員の情報キャッチアップにも役立ちます。

社内手続き・申請

社内手続きや申請の一元管理は、業務効率の大幅な向上と、ペーパーレス化による環境負荷の軽減につながります。一元管理を実現するには、ワークフローシステムの導入が効果的です。

休暇申請や経費精算、備品購入などの申請フォームをデジタル化し、オンラインで申請や承認、管理が可能です。申請者は、いつでもどこからでも申請を行え、承認者もスマホやタブレットなどのモバイルデバイスからでも処理ができます。

申請の進捗状況をリアルタイムで確認できるため、処理の遅延を防ぎ、透明性を高めることにつながるでしょう。承認ルートの自動設定や、条件に基づいた自動承認機能は、承認フローの効率化をもたらします。

社内手続き・申請の一元管理は、事務作業の効率化だけでなく、組織全体の生産性向上とガバナンス強化にも役立ちます。

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情報一元管理を成功させるポイント

実際に情報一元管理を成功させるには、2つのポイントを考慮しなければなりません。「一元化したい情報を整理する」と「一元管理のルールを定める」の2つのポイントについて詳しく解説するので、情報一元管理を進めようとお考えの方は、最後までご覧ください。

一元化したい情報を整理する

情報一元管理を成功させる第一歩は、一元化すべき情報の整理です。組織内のあらゆる情報を洗い出し、その重要性や機密性、利用頻度などを評価し整理します。

人事情報や顧客情報、プロジェクト管理資料といったさまざまな種類の情報を分類し、特性を把握しましょう。頻繁に更新が必要な情報と、長期保存が必要な情報を分けて整理することも重要です。

アクセス権限の設定を考慮した整理も必要です。法令遵守や個人情報保護の観点から、特別な管理が必要な情報は特に識別した方がいいでしょう。

一元化したい情報が整理されれば、一元管理に最適なツールの選定基準も明確になります。導入後の運用効率や従業員の使いやすさにも影響するため、慎重かつ包括的な整理が求められます。

一元管理のルールを定める

情報一元管理を成功させるには、ルール設定が不可欠です。情報セキュリティの確保や効率的な運用、法令遵守などを考慮したルールを定めましょう。

アクセス権限の設定に関するルールは、職位や部署、プロジェクトの役割などに応じて権限を付与し、定期的に見直す仕組みを定めます。必要な情報へのアクセスを確保しつつ、不必要な情報漏洩リスクを軽減できるでしょう。

情報の更新と管理に関するルールも必要です。誰が、どのタイミングで、どのような手順で情報を更新するか、また古くなった情報をどう扱うかなどを定めます。情報の一貫性と最新性の維持につながります。

データのバックアップと復旧に関するルールも重要です。また、モバイルデバイスやリモートアクセスに関するセキュリティルールも定めなければなりません。

これらのルールは、文書化して全従業員に周知し、定期的な研修を通じて理解を深めましょう。ルール自体も定期的に見直し、環境の変化や法規制の変更に対応させていく必要があります。

関連記事:ノウハウ共有で組織全体を底上げ!おすすめツール4選も紹介

情報一元管理ならLumAppsがおすすめ

情報一元管理を社内に導入するのであれば、LumAppsがおすすめです。

LumAppsはユーザーフレンドリーなインターフェースを採用しています。直感的な操作で従業員が簡単に利用できるため、導入後の運用がスムーズです。

高度な検索機能もLumAppsの特徴で、膨大な情報の中から必要なデータをスムーズに見つけ出せます。キーワード検索や、タグやカテゴリによる絞り込みなどの豊富な検索オプションを提供しているため、効率的な情報アクセスが可能です。

コンテンツの共有とコラボレーションを促進する機能もLumAppsの特徴です。投稿された情報に対するコメント機能や「いいね」ボタンなどのソーシャル機能により、チーム間で簡単にやり取りが可能です。

使いやすさと高機能性を両立したLumAppsは、社員の積極的な参加を促し、組織全体の生産性向上にも役立ちます。

まとめ

情報の一元管理は、企業の競争力を高めるためには不可欠な戦略です。本記事では、情報の一元管理の定義から具体的な実施方法、メリット・デメリットについてまとめました。また、情報一元管理を成功させるためのポイントにも触れているため、実際の導入時の参考にしてください。

おすすめの情報一元管理ツールとして、LumAppsも紹介しました。効果的な情報一元管理を実現したい方は、ぜひご検討ください。ユーザーフレンドリーなインターフェースや高度な検索機能、コラボレーション促進機能などが組織全体のナレッジ共有と生産性向上を加速させるでしょう。

本記事の内容を参考に、自社に適した情報一元管理を実現し、ビジネスの成功に結びつけてください。

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