社内ポータルサイトのデザインで重要なポイントとは?トレンドから失敗しない注意点も紹介
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企業や組織内のコミュニケーションや情報共有を促すために、社内ポータルサイトを構築するケースが増えています。一方で、その効果を十分に発揮するためには、使いやすいデザインを検討し、適切に設計しなければなりません。
そこで本記事では、社内ポータルサイトのデザインにおける重要なポイントを詳しく解説します。また、最新のデザイントレンドや、失敗しないための注意点、さらには制作費用の目安まで幅広く紹介します。
さらに、参考になるデザイン集も掲載しているので、自社の社内ポータルサイト構築の際に役立つ情報が満載です。これから社内ポータルサイトの構築やリニューアルを検討されている方は、本記事の内容をぜひ活用してください。
社内ポータルサイトをデザインする際の重要なポイント
まずは、社内ポータルサイトをデザインする際のポイントを5つの視点でまとめます。
- 社内情報の整理
- ターゲットユーザーに最適な情報設計
- 情報の探しやすさを意識
- シンプルな配色使いや装飾を意識
- モバイル対応も考慮
いずれも重要なポイントなので、詳しく解説します。
社内情報の整理
社内ポータルサイトの効果を最大化するには、構築前に社内情報の整理が不可欠です。一部の社員だけに通じる言葉の定義を明確にし、共通の前提を整えれば、全社員が同じ理解のもとで情報にアクセスできるようになります。
また、申請書や契約書などの各種書類の形式を統一し、Web化に適した形に見直すことも重要です。法務部門と連携して、契約書の体系化を進めることで、より効率的な情報管理が可能になります。
ターゲットユーザーに最適な情報設計
社内ポータルサイトをデザインする際には、従業員のニーズに合わせた情報設計が重要です。まずは従業員に役立つ情報を見やすくまとめることから始めましょう。社内用語の説明を加えたり、人事情報を定期的に更新したりすることで、サイトの価値が高まり、利用頻度も増えていきます。
経営者向けの情報や企業からのメッセージは、最初はあまり重視されないかもしれません。ただ、社内ポータルサイトの使いやすさが向上すれば、このような情報にも関心が高まっていくでしょう。
情報の探しやすさを意識
社内ポータルサイトには、さまざまなコンテンツのリンクが集められます。そのため多くのコンテンツのなかから、求める情報に短時間で辿り着く仕組みが必要です。
情報の探しやすさを確保するためには、知りたい情報がどこにあるのかひと目でわかるように、カテゴリーやジャンル別にするなど工夫が必要です。また、一般的なサイトのように余白を取りすぎてしまうと、情報量が少なく見えてしまいます。社内ポータルサイトでは余白は少なく設定するといいでしょう。
シンプルな配色使いや装飾を意識
社内ポータルサイトのデザインは、配色使いや装飾を意識するといいでしょう。派手な色使いや装飾は避け、シンプルにすることで、ユーザーが必要な情報を見つけやすくなります。
色使いは、ベースカラーとアクセントカラーの3色程度に抑えるのがおすすめです。イラストやアイコンも、サイト全体のイメージに合わせて選びましょう。このように統一感のあるデザインにすることで、たくさんの情報があっても整理された印象を与えられます。
モバイル対応も考慮
最近では在宅勤務やリモートワークが増えており、スマートフォンやタブレットで仕事をする機会が多くなっています。そのため、社内ポータルサイトもこれらのモバイルデバイスに対応しなければなりません。
画面サイズに合わせて表示が調整されるレスポンシブデザインを採用したり、タッチ操作に適した大きめのボタンを使用したりする必要があります。どのデバイスからでも快適に利用できるようになれば、従業員はいつでもどこでも必要な情報にアクセスするようになるでしょう。
関連記事:従業員ポータルとは?使える機能や使いこなすポイントなどを解説
社内ポータルサイトのデザイントレンド
ここからは、社内ポータルサイトではどのようなデザインがあるのか、トレンドを見ていきます。
- カード型
- シネマグラフ型
- ヒーローヘッダー型
- 垂直型インターフェース
これらの4つのデザインについて、詳しく解説します。
カード型
カード型デザインは、社内ポータルサイトで広く採用されているスタイルです。その名の通り、情報をカードのような四角形の枠に収めて並べて整理します。このデザインの最大の特徴は、ユーザーにとっての見やすさと使いやすさにあります。
コンテンツが整然と並べられているため、ユーザーは必要な情報やリンクを素早く見つけられるでしょう。また、見た目も洗練されているため、大企業から中小企業まで、業種を問わず多くの企業で採用されています。
カード型デザインは、レスポンシブデザインへの適応性が高いというメリットもあります。パソコンでは横並び、スマートフォンでは縦並びというように、閲覧デバイスに応じてレイアウトを柔軟に変更可能です。これにより、どのデバイスからアクセスしても最適な表示が可能となり、ユーザーの操作性を向上させることができます。
このように、カード型デザインは情報の整理、見やすさ、デバイス対応の面で優れています。
シネマグラフ型
シネマグラフ型は、人間の視覚的な特性を巧みに利用したデザインです。このデザインの特徴は、サイトのトップに配置された画像の一部だけを動画にすることで、ユーザーの注目を集める点にあります。
人は本能的に動くものに目を向ける習性を活用し、静止画の中の特定の要素だけを動かすことで、視覚的インパクトを生み出します。これにより、企業が最も伝えたいメッセージや重要な情報に、ユーザーの目を向けさせることができるのです。
しかし、このデザイン手法を使用する際は注意が必要です。動画を過剰に使用すると、「メッセージの焦点がぼやける」や「サイトの読み込み速度が遅くなり、ユーザーの離脱を招く」といった問題が生じます。
したがって、シネマグラフ型デザインは、適切に使用すれば強力な視覚的ツールとなるものの、過度の使用は避けるべきです。バランスよく使用して、ユーザーの注目を集めつつ、サイトのパフォーマンスを維持しましょう。
ヒーローヘッダー型
ヒーローヘッダー型は、社内ポータルサイトのトレンドの中でも特に印象的なデザインといえるでしょう。このデザインの特徴は、サイトを開いた瞬間に、ユーザーの目を引く大きな画像やイラストが全画面で表示されることです。
このデザインの主な利点は以下のとおりです。
- 視覚的インパクト:大きな画像や動画で即座に注目を集めます。
- コンセプトの明確化:サイトの目的や企業の理念を瞬時に伝えられます。
- シンプルさ:最小限のテキストと組み合わせることで、整理された情報が提供できます。
ヒーローヘッダー型は、ゲームや漫画関連のサイトなど、ブランドイメージが重要な分野で特に人気があります。また、自治体の公式ポータルサイトでも採用が増えています。
一方で、シンプルなデザインであるため、使用する素材によっては、サイト全体の印象を損なう可能性もあります。適切に実装できれば、ユーザーに強烈な第一印象を与え、効果的な情報伝達を実現できるデザインです。
垂直型インターフェース
垂直型インターフェースは、スマートフォンの普及に伴い重要性を増している社内ポータルサイトのデザインです。ユーザーが主に見るサイトの画面を縦方向のスクロールに最適化しています。スマートフォンでのウェブサイト閲覧が一般的になったことで、従来のパソコン向けデザインとは異なるアプローチが必要となりました。
パソコン向けサイトでは、画面の拡大縮小や自由な移動が可能なため、サイトを訪れた直後のファーストビューが重視されていました。しかし、スマートフォンでは主に縦方向のスクロールしかできないため、垂直方向への情報配置を意識したスクロールビューが重要になっています。
さらに、通信技術の発達により、動画コンテンツの活用も増えています。不要な情報を削ぎ落とし、動画を中心としたシンプルで効果的なデザインも注目を集めています。
このように、垂直型インターフェースは、モバイル時代に適応した実用的で効果的なデザインです。
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社内ポータルサイトで失敗しないための注意点
では実際に社内ポータルサイト構築を失敗しないためには、どのような点に注意すればいいのでしょうか。以下の2つの視点で解説します。
- オーナー目線でつくらない
- 過度なカスタマイズで運用を困難にしない
注意すべき点を理解したうえで、社内ポータルサイトを構築しましょう。
オーナー目線でつくらない
社内ポータルサイトを設計する際には、オーナー目線だけでなく、ユーザーである社員の視点も考慮しなければなりません。オーナーは最新のトレンドや高度な機能を求める傾向がある一方で、これが必ずしも業務効率の向上につながるとは限らないからです。
社内ポータルサイト構築に伴い社内ルールを変更すると、社員の混乱を招き、情報システムへの問い合わせ増加などの問題を引き起こす可能性があります。
理想的なアプローチは、オーナーと社員が互いに意見を出し合いながら、段階的に改善を進めることです。社員からのフィードバックを積極的に取り入れ、必要に応じて調整を行うことで、使いやすく効果的な社内ポータルサイトを構築できます。
過度なカスタマイズで運用を困難にしない
自社に合った社内ポータルサイトを設計する際に、カスタマイズは重要であるものの、行き過ぎると問題を引き起こす可能性があります。特に、将来的なメンテナンスやアップデートに支障をきたすなど、運用面での困難さは問題です。
過度なカスタマイズは、システムの複雑性を増大させ、専門知識を持つ担当者のみが管理できる状況を生み出します。これは人材の異動や退職時に大きな問題となり、継続的な運用を脅かすでしょう。また、ベースとなるシステムのアップデートが困難になり、セキュリティリスクや機能の陳腐化を招く可能性もあります。
したがって、長期的に持続可能で効果的な社内ポータルサイトを実現するために、必要最小限のカスタマイズにとどめ、運用の効率性と柔軟性を維持しましょう。
関連記事:【2025年版】社内ポータルサイトおすすめ6選!比較ポイントも解説
社内ポータルサイトの制作費用
ここまで来ると、社内ポータルサイトを制作する費用が気になるでしょう。ここでは以下の2つのパターンで制作費用をまとめます。
- デザインのみ依頼する
- サイト構築から依頼する
それぞれ順番に見ていきましょう。
デザインのみ依頼する
社内ポータルサイトのデザインのみを外部に依頼する場合、費用はサイトの規模や複雑さによって変動します。一般的に、1ページあたり5〜10万円程度の費用を見込んでおくといいでしょう。デザインは通常、トップページから始まり、それをベースに他のページが作成されていきます。
トップページは最も重要で複雑なため、約10万円の費用がかかることもあります。その他のページは平均して5万円程度でしょう。さらに、現代のウェブ環境では欠かせないレスポンシブデザインを採用する場合、追加で約10万円の費用が必要になる場合もあります。
このように、ページ数とデザインの複雑さを考慮して、全体の制作費用を見積もることが重要です。
サイト構築から依頼する
社内ポータルサイトの構築を全面的に外部に依頼する場合、費用はサイトの規模によって大きく変わります。小規模なサイトであれば50〜150万円程度で済むこともある一方で、中規模になると150〜500万円、大規模なサイトでは500万円以上の費用がかかる場合もあります
これは、社内ポータルサイトの企画立案から始まり、デザイン、コーディング、バックエンドの開発、さらには保守運用までを一貫して行うためです。このようなワンストップサービスは、専門的な知識と技術を要するため、相応の期間と費用が必要となります。
したがって、社内ポータルサイト構築を開始する前に、規模や必要な機能を十分に検討し、適切な予算と時間を確保することが重要です。
参考になるポータルサイトのデザイン集
ここでは、社内ポータルサイトを構築する際に参考になるデザインを紹介します。
デザイン設計に、下記2つのサイトを参考にしてください。
- SANKOU!
- MUUUUU.ORG
詳しくご紹介します。
SANKOU!
SANKOU!は、Webデザイン制作の参考になる国内の優れたサイトを集めたギャラリー・リンク集です。実用的なものから遊び心のあるものまで、3,777件以上のサイトを掲載しており、多数のカテゴリで分類されています。
ユーザーは目的に合わせて効率的にサイトを探すことができ、最新のデザイン手法や技術を参考にできます。また、各サイトの掲載日が表示されているため、トレンドの把握や過去のデザインの調査にも役立ちます。
さらに、気に入ったサイトをお気に入りに登録する機能や、サイトの制作者情報を確認できる機能もあり、Webデザイナーや企業にとって有用なリソースとなっています。
MUUUUU.ORG
MUUUUU.ORG(ムーオルグ)は、高品質なWebデザインを集めた非営利目的のポータルサイトです。後発ながら、見やすさと使いやすさを重視し、ユーザーにとって価値のあるギャラリーサイトを目指しています。
縦長でオーソドックスなレイアウトを採用し、デザイン性に優れたサイトを厳選して掲載しています。特徴として、業界やデザインテイスト、カラー、種類などの豊富なカテゴリー分けがあり、ユーザーが求めるデザインを効率的に見つけられるようになっています。
また、「特殊なWebフォントを使用」「TOPページにJS多用」といったデザイナー目線のカテゴリーも用意されており、プロフェッショナルにも有用なリソースとなっています。
まとめ
社内ポータルサイトは、企業や組織内のコミュニケーションと情報共有を円滑にする重要なツールです。本記事では、効果的な社内ポータルサイトを構築するためのデザインについて解説しました。
社内ポータルサイトをデザインするには、まず社内情報の整理と適切な情報設計が基本となります。ユーザーにとって情報が探しやすく、シンプルで見やすいデザインを心がけることが大切です。また、モバイル対応も考慮し、どこからでもアクセスしやすい環境を整えることが重要です。
デザイントレンドとしては、カード型、シネマグラフ型、ヒーローヘッダー型、垂直型インターフェースなどが注目されています。これらを適切に組み合わせることで、魅力的で使いやすい社内ポータルサイトを実現できるでしょう。
また、社内ポータルサイト構築を失敗しない注意点についても触れました。オーナー目線に偏らないこと、過度なカスタマイズを避けることに注意すべきである理由をまとめています。制作費用や、参考になるデザイン集についても解説しました。
本記事の内容を参考にして、効果的な社内ポータルサイトをデザインしてください。きっと、企業のコミュニケーションの活性化と業務効率の向上につながるでしょう。
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