社内ポータルサイトのデザイン|7つの重要ポイントと2026年最新トレンド
目次
社内ポータルサイトのデザインは、見た目の美しさよりも「必要な情報に最短で辿り着けること」を軸に設計することが成功の条件です。デザインの質は、ポータルの利用率や従業員エンゲージメントに直結します。
本記事では、社内ポータルサイトのデザインで重要な7つのポイントと2026年の最新トレンド、作成の手順、失敗しないための注意点、制作費用の目安までを解説します。
国内外企業の改善事例やLumAppsの調査データも交えて紹介するので、これから社内ポータルサイトの構築やリニューアルを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

社内ポータルサイトのデザインが重要な理由
結論からいえば、社内ポータルサイトのデザインが重要なのは、使いやすさがポータルの利用率と従業員エンゲージメントを大きく左右するためです。
社内ポータルサイトとは、社内のお知らせや規程、各種申請、業務ツールへの入口を1か所に集約し、従業員が必要な情報へ素早くアクセスできるようにした社内向けのWebサイトです。基本的な機能や活用方法は「従業員ポータルとは?使える機能や使いこなすポイントなどを解説」で詳しく解説しています。
LumAppsが2026年に公開した「エンゲージメントと従業員デジタル体験の実態調査」(従業員1,000名以上の企業に勤める897名が対象、2025年8月実施)では、社内ポータルに満足している従業員は、不満のある従業員と比べてeNPS(自社を他者に勧めたい度合い)が約5倍、定着意向が約2倍高いという結果が出ています。
つまり社内ポータルサイトのデザインは、単なる見た目の問題ではなく、情報共有の生産性と組織への愛着を左右する経営課題だといえます。
社内ポータルサイトをデザインする際の7つの重要ポイント
見やすく、使われ続ける社内ポータルサイトには共通の設計原則があります。ここでは、社内情報の整理、情報設計、探しやすさ、配色、モバイル対応、アクセシビリティ、ブランドとの統一感という7つのポイントを順に解説します。
社内情報の整理から始める
デザインに着手する前に、まず社内情報の整理が不可欠です。部署ごとに異なる用語の定義をそろえ、共通の前提を整えることで、全従業員が同じ理解のもとで情報にアクセスできるようになります。
また、申請書や契約書などの各種書類の形式を統一し、Web化に適した形へ見直すことも重要です。法務部門と連携して文書を体系化すれば、ポータル上での情報管理がより効率的になります。
ターゲットユーザーに合わせた情報設計
情報設計は「運営側が載せたい順」ではなく「従業員が使う頻度の高い順」で組み立てることが原則です。よく使う申請や人事情報を目立つ位置に置くことで、ポータルの価値が高まり、利用頻度も着実に増えていきます。
掲載するコンテンツは、社内ニュースや経営メッセージ、各種申請・ワークフロー、規程やマニュアルなどのナレッジ、社員検索が代表的です。それぞれの利用頻度を想定し、トップページに置くものと階層の深い場所に置くものを分けて設計します。
総合エンジニアリング企業のタマディック(従業員約1,200名)は、LumAppsで構築した社内ポータルのメニューを「会社を知る」「社員検索」「社員教育・ナレッジ」のように目的別に階層化しました。
情報の見つけにくさを解消した結果、ポータルのアクセス数は1.6倍、社内SNSの投稿数は約3倍に増加しています。情報設計の見直しが利用率に直結した好例です。
情報の探しやすさを最優先する
社内ポータルサイトには多くのコンテンツへのリンクが集まるため、目的の情報に短時間で辿り着ける導線と検索機能が欠かせません。グローバルナビゲーションの項目は7つ前後に絞り、どの情報にも3クリック以内で届く階層を目安にしましょう。
LumAppsが2026年に公開した前述の実態調査(n=897)では、現場で働くフロントラインワーカーのうち、必要な情報を社内でスムーズに見つけられている人は19.0%にとどまりました。
情報が見つからない状態は、問い合わせ対応の増加にもつながります。複数のシステムを横断して検索できる横断検索(エンタープライズサーチ)の仕組みを取り入れることも有効です。
配色はシンプルに、視認性を高く保つ
配色はベースカラー、メインカラー、アクセントカラーの3色程度に絞り、重要なお知らせやボタンにだけアクセントカラーを使うと、視線が自然に誘導されます。
装飾を増やすほど、本当に伝えたい情報は埋もれてしまいます。余白を十分にとり、文字サイズと行間を一定のルールで統一することが、見やすいデザインへの近道です。
モバイル対応を前提にする
営業や店舗、工場など、パソコンの前にいない従業員にも情報を届けるには、スマートフォンでの閲覧を前提にしたレスポンシブデザイン(画面幅に応じてレイアウトが変わる設計)が必須です。
移動中などの隙間時間に閲覧できるようになると、情報の到達率は大きく変わります。前述のタマディックでも、スマートフォン対応の強化が「自分の都合の良い時間に情報を取得しやすい」環境づくりにつながっています。
アクセシビリティに配慮する
社内ポータルサイトは全従業員が日常的に使う前提のため、アクセシビリティ(年齢や障がいの有無にかかわらず使える設計)への配慮が欠かせません。
具体的には、文字と背景のコントラストを十分に確保する、色だけに頼らず文字やアイコンでも意味を伝える、文字サイズを小さくしすぎないといった基本を押さえることが大切です。
企業ブランドとの統一感を出す
ポータルのデザインにコーポレートカラーやロゴ、トーンを反映させると、「自社の公式な情報源である」という信頼感が生まれます。
社内ポータルサイトは経営メッセージや企業文化の発信拠点としても機能します。ブランドガイドラインに沿った配色やフォントのルールを、最初に決めておくことをおすすめします。

【2026年最新】社内ポータルサイトのデザイントレンド5選
2026年のトレンドは、カード型やBentoレイアウトのような情報整理に強いレイアウトと、パーソナライズやAIを組み合わせた「1人ひとりに最適化されたポータル」への進化が中心です。ここでは代表的な5つを紹介します。
カード型デザイン
カード型デザインは、情報をカード状の枠で区切って並べるレイアウトで、社内ポータルサイトの定番です。情報のまとまりが視覚的に分かりやすく、更新情報の追加や差し替えも容易です。
パソコンでは横並び、スマートフォンでは縦並びというように、閲覧デバイスに応じて柔軟にレイアウトを変更できるため、レスポンシブデザインとの相性にも優れています。
Bento(ベントー)レイアウト
Bentoレイアウトは、弁当箱の仕切りのように大小のタイルを組み合わせるレイアウトで、海外のWebデザインから社内ポータルサイトにも広がりつつあるトレンドです。
重要なお知らせは大きなタイル、日常的なリンクは小さなタイルというように、情報の優先度を面積で表現できます。トップページをダッシュボードのように構成したい場合に適しています。
ヒーローヘッダー型
ヒーローヘッダー型は、ページを開いた瞬間に大きな画像やメッセージを画面いっぱいに表示するデザインです。企業理念や注力プロジェクトなど、全社に伝えたいメッセージを印象的に届けられます。
一方で、ヘッダーが大きいほど実用的な情報は画面の下に押し出されます。社内ポータルサイトでは、ヘッダーの高さを抑え、検索窓や主要リンクをすぐ見える位置に残す構成が現実的です。
パーソナライズ型
パーソナライズ型は、所属部署や役割、拠点に応じてトップページの表示内容を出し分けるデザインです。全員に同じ画面を見せる方式に比べ、1人ひとりにとって関係の深い情報の密度が高まります。
例えばLumAppsでは、役割・拠点・チームごとに情報を届けるターゲティング配信と、パーソナライズされたダッシュボードを設定できます。
AIアシスタント統合型
AIアシスタント統合型は、ポータルの検索窓を対話型AIと組み合わせ、質問に答える形で情報や手続きへ案内するデザインです。2026年のポータル刷新で最も注目されている要素だといえます。
キーワード検索で見つからなかった情報も、自然な文章で質問できることで解決しやすくなります。LumApps AIのように、連携システムを横断して回答するAI検索を備えるツールも登場しています。
自社のポータルで「情報がどれだけ従業員に届いているか」を把握したい場合は、LumAppsのデジタルワークプレイス診断(無料)が役立ちます。かんたんな設問に答えるだけで、社内の情報共有の成熟度を客観的に確認できます。
社内ポータルサイトのデザイン作成5つのステップ
デザイン作成は、目的の明確化から公開後の改善までを一連の流れとして計画することが重要です。ここでは5つのステップに分けて進め方を解説します。
ステップ1:目的と評価指標を明確にする
最初に「何のためのポータルか」を言語化します。情報共有の効率化、エンゲージメント向上、問い合わせ削減など、目的によって優先すべきコンテンツとデザインは変わります。
あわせて、アクセス数や検索の成功率、問い合わせ件数などの評価指標を決めておくと、公開後に改善の判断がぶれなくなります。
ステップ2:情報の棚卸しとサイトマップ設計
次に、社内に散らばる情報を棚卸しし、どの情報をポータルに集約するかを整理して、サイトマップ(ページの一覧と階層構造)に落とし込みます。
セキュリティ企業のPalo Alto Networks(従業員10,000名以上)は、LumAppsで社内ポータル「The Loop」を2カ月未満で立ち上げ、53,000ページを超えるコンテンツを移行して唯一の信頼できる情報源に一元化しました。情報の入口を1つに絞る設計が、デザイン以前の土台になります。
ステップ3:ワイヤーフレームとデザインルールの作成
サイトマップが固まったら、ワイヤーフレーム(画面の配置図)で主要ページのレイアウトを設計します。この段階で、配色やフォント、アイコンなどのデザインルールも文書化しておきます。
ルールを先に決めておくと、複数の担当者がページを作成しても統一感が保たれます。後述する「過度なカスタマイズ」を防ぐことにもつながります。
ステップ4:構築と試験運用
構築後は、いきなり全社公開するのではなく、一部の部署で試験運用を行い、実際の利用者の声をもとに導線や表示内容を調整します。
特に「探している情報に辿り着けるか」の検証が重要です。社内用語での検索結果や、スマートフォンでの表示崩れも、この段階で確認しておきましょう。
ステップ5:公開後の効果測定と改善
公開はゴールではなくスタートです。ページ別の閲覧数や検索キーワードなどのデータをもとに、使われていないコンテンツの整理と導線の改善を続けます。
LumAppsの効果測定・分析機能のように、閲覧状況を可視化できる仕組みがあると、改善のサイクルを回しやすくなります。
社内ポータルサイトのデザインで失敗しないための注意点
デザインの失敗の多くは、見た目そのものではなく、作り方と運用の進め方に原因があります。ここでは3つの注意点を解説します。
オーナー目線でつくらない
運営側が発信したい情報を優先すると、従業員にとって使いにくいポータルになってしまいます。利用者である従業員のニーズを起点に、掲載する情報と配置を決めることが大切です。
構築前のアンケートやヒアリングで「よく探す情報」や「困っていること」を把握し、デザインに反映させましょう。
過度なカスタマイズで運用を困難にしない
デザインにこだわるあまり独自のカスタマイズを重ねると、更新に専門知識が必要になり、特定の担当者しか運用できないポータルになりがちです。
担当者の異動や退職で更新が止まる事態を避けるため、標準機能やテンプレートの範囲で運用できる設計を基本とすることをおすすめします。
公開して終わりにしない
公開直後は利用されても、情報が古いままだと従業員は次第にアクセスしなくなります。更新の担当者と頻度をあらかじめ決め、情報の鮮度を保つ運用体制までをデザインの一部と考えましょう。
先述のとおり、閲覧データをもとにした定期的な見直しが、使われ続ける社内ポータルサイトの条件です。
社内ポータルサイトの制作費用と構築方法の選択肢
制作費用は、依頼する範囲によって大きく変わります。ここでは、デザインのみを依頼する場合、サイト構築から依頼する場合、ツールを活用する場合の3つの選択肢を紹介します。
| 構築方法 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| デザインのみ外部へ依頼 | 1ページあたり5〜10万円程度 | 構築・運用は自社で行う前提で、デザインの質を高めたい場合に向いています |
| サイト構築から外部へ依頼 | 50万〜500万円以上(規模による) | 企画から開発・保守まで任せられる一方、期間と費用がかかります |
| 社内ポータルツール(SaaS)を利用 | 月額制が中心(プラン・規模により変動) | テンプレートを基に自社で構築・更新でき、モバイル対応も標準で備わります |
デザインのみを外部へ依頼する場合、一般的に1ページあたり5〜10万円程度が目安です。最も重要なトップページは約10万円、その他のページは平均5万円程度で、レスポンシブ対応に約10万円が追加になる場合もあります。
サイト構築から一括で依頼する場合は、小規模なサイトで50〜150万円程度、中規模で150〜500万円、大規模では500万円以上かかることもあります。企画からデザイン、開発、保守までを一貫して行うためです。
社内ポータルツール(SaaS)を利用する方法もあります。用意されたテンプレートを基に自社で構築・更新でき、デザインの統一やモバイル対応を標準で担保しやすい点が特長です。ツールの選び方は「【2025年版】社内ポータルサイトおすすめ6選!比較ポイントも解説」で詳しく解説しています。
まとめ
社内ポータルサイトのデザインは、社内情報の整理と情報設計を土台に、探しやすさ、配色、モバイル対応、アクセシビリティ、ブランドとの統一感を整えることが基本です。
2026年は、カード型やBentoレイアウトに加え、パーソナライズとAIを取り入れた「1人ひとりに最適化されたポータル」が主流になりつつあります。作成の際は、目的の明確化から公開後の改善までを一連のステップとして計画してください。
デザインの良し悪しは、従業員エンゲージメントにまで影響します。本記事のポイントを参考に、従業員に使われ続ける社内ポータルサイトを実現しましょう。
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社内ポータルサイトのデザインに関するよくある質問
見やすい社内ポータルサイトにするには、まず何から始めればよいですか?
まず社内情報の棚卸しと整理から始めてください。そのうえで、従業員がよく使う情報を起点に情報設計を行い、ナビゲーションの項目を7つ前後に絞ると探しやすさが大きく改善します。配色を3色程度に抑え、余白と文字サイズのルールを統一することも効果的です。
2026年の社内ポータルサイトのデザイントレンドは何ですか?
カード型やBentoレイアウトのような情報整理に強いレイアウトに加え、部署や役割ごとに表示を出し分けるパーソナライズ、対話型AIによる検索支援の統合が代表的なトレンドです。見た目の流行よりも、1人ひとりが必要な情報に早く辿り着ける仕組みが重視されています。
社内ポータルサイトのデザインにかかる費用の目安はいくらですか?
外部へデザインのみを依頼する場合は1ページあたり5〜10万円程度、サイト構築から依頼する場合は規模に応じて50万〜500万円以上が目安です。SaaS型の社内ポータルツールを使い、テンプレートを活用して自社内で構築・改善を進める方法もあります。
LumAppsで社内ポータルサイトのデザインはどのように改善できますか?
LumAppsでは、役割・拠点・チームごとに表示内容を出し分けるパーソナライズや、複数システムを横断するAI検索、モバイル対応を備えた社内ポータルを構築できます。詳しくは機能紹介ページとサービス資料をご覧ください。